コロナの経済苦境で若者の実家住まい加速=小林知代
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新型コロナウイルス感染拡大後、ニューヨークでは若者の流出が顕著だ。財力のあるカップルは近隣のニュージャージー州などに戸建てを求め、遠隔で仕事ができる若者は田舎に住む親元に一時的に同居する。しかし、失業して経済的に追い込まれた若者は、実家に戻るしかない。
米国では大学に進学して実家を出ることが、大人になるための一里塚と認識されている。子どもが独立して家を出て行った後に陥る憂鬱な心理状況は、親として乗りきらねばならない人生の試練だ。
しかし、異変が起きている。巣立った子どもが舞い戻ってくる「ブーメラン現象」が起きているのだ。オンライン不動産データベースを運営する「ジロー・グループ」の分析によると、全米で今年3~5月だけで300万人の成人が親、祖父母の家に引っ越したという。多くが、大学生を含めた25歳以下である。
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週刊エコノミスト
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