修繕積立金(上) 不足に売り主の思惑/59
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修繕積立金は、将来の大規模修繕に備えたマンション所有者全員の積立貯金だが、早ければ2回目、遅くとも3回目の修繕の際に積立金が足りない事態がよく生じる。その際、所有者それぞれが数十万円から数百万円の不足分を拠出できれば問題ないが、全員が足並みをそろえて一時金を出せるケースは非常にまれ。したがって、管理組合でローンを組んで修繕費を調達し、修繕後に毎月の修繕積立金の額を上げる手もある。
だが、これもうまくいかないことが多い。毎月5000~1万円程度だった修繕積立金がいきなり3万円になるのは、家計によっては簡単に受け入れることができず、管理組合総会で否決されてしまうためだ。そうなると、手元資金でできる修繕だけ、または全く何もしないといった選択とならざるを得ず、建物はみるみる陳腐化。資産価値を下げるばかりか、購入や賃貸を考えている層にも魅力的な建物になり得ない。適切な修繕をすれば、…
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週刊エコノミスト
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