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年度内に潜在成長率はマイナスに=斎藤太郎

 日本経済は2019年度後半以降、消費税率引き上げや新型コロナウイルス感染拡大の影響で、マクロ的な需給バランスが大きく悪化するとともに、潜在成長率も低下している。日本銀行が推計する潜在成長率は14年度上期の1・06%をピークに低下が続き、19年度下期は0・13%となった。

 20年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は前期比年率27・8%減と、リーマン・ショック後を超える大幅マイナス成長となった。緊急事態宣言の解除によって景気はすでに底を打っており、7~9月期以降は高めの成長となる可能性が高い。ただし、新しい生活様式の実践などにより外食、旅行などのサービス消費は引き続き抑制されるため、経済活動が元の水準に戻るまでには時間を要することが予想される。

 成長率の落ち込みによって、需給ギャップが大幅なマイナスとなることは確実だが、同時に注目されるのは、先行きの潜在成長率の動向だ。潜在成長率は概念的には景気循環に左右されないはずだが、実際には現実の成長率の影響を強く受けるからである。

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