米国 バイデン氏の2兆ドル投資計画 50万カ所充電施設でEV普及へ=上野貴弘
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11月3日に実施される米大統領選は米国、そして世界の脱炭素化の大きな分かれ道となる。トランプ大統領が気候変動対策に否定的である一方、対抗馬の民主党バイデン前副大統領は野心的な気候変動対策を公約しているためだ。
現在、世界の気候変動対策は2015年12月に採択されたパリ協定の下で進められている。トランプ大統領は17年6月に同協定から脱退する意向を表明しており、くしくも選挙翌日の11月4日に脱退が法的に確定する。一方、バイデン氏は、当選すれば、大統領就任当日(21年1月20日)にパリ協定に復帰すると公約しており、両者の態度は対照的だ。
トランプ氏が再選する場合は基本的に現状の延長であるため、本稿ではバイデン氏が当選した場合のシナリオに焦点を当てる。バイデン政権が発足した場合、すぐに活発化するのは国際的な動きだ。バイデン氏はパリ協定に復帰するだけではなく、主要排出国に対して、首脳会議を通じ、パリ協定の下で掲げる削減目標を強化するように働きかけるとも公約している。協定下での途上国支援も再開し、気候変動対策への機運が世界的に高まる。…
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週刊エコノミスト
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