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緊急提言 長引く「日本化」の罠 「緑の財政出動」で探る脱出=河野龍太郎/諸富徹

    スウェーデンではCO₂の排出削減と経済成長を両立している(Bloomberg)
    スウェーデンではCO₂の排出削減と経済成長を両立している(Bloomberg)

     日本では四半世紀にわたり、「低成長、低インフレ、低金利、膨張する公的債務」が常態化している。コロナ禍をきっかけに、先進各国でもこれらが常態化する「ジャパニフィケーション(日本化)」の様相が強まっているが、より懸念されるのは日本でその傾向がますます強まっていることだ。ジャパニフィケーションから日本は永久に抜け出せないのか。本稿では脱出策を探る。

     潜在成長率と物価上昇率(インフレ率)の低下が続き、日本で事実上のゼロ金利政策(0・5%より低い政策金利)が始まったのは、20年以上も前の話だ。不良債権問題や時短(1980年代末から90年代前半に実施された労働時間短縮政策)に伴う労働力減少などがきっかけだった。名目金利が下限制約まで下がると、名目金利から物価上昇分を差し引いた実質金利を自然利子率(景気への影響が緩和的でも引き締め的でもない中立的な実質金利)以下に引き下げられなくなる。実質金利を下げて企業の設備投資意欲を高めるといった景気刺激も、インフレ期待の醸成も困難になる。90年代半ばには金融政策の有効性が失われていた。

     代わって財政出動がマクロ安定化の主役を担うようになり、公的債務の膨張も続く。成長率やインフレ率が低いだけでなく、公的債務も未曽有の水準まで拡大し、超低金利から抜け出せない。同時に公的債務の肥大化が潜在成長率の回復を妨げる。これらの結果、低成長、低インフレ、低金利、膨張する公的債務が定着した。

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