ドイツ 送配電や再エネ企業に変身 電力業界の大胆な決断=熊谷徹
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コロナ禍はドイツの電力業界にも傷痕を残した。今年春のロックダウン(都市封鎖)で製造業が一時的に冬眠状態となり、電力需要が激減したからだ。だが、この国の大手電力は、欧州連合(EU)などが掲げるコロナ復興対策に新たな商機を見いだしている。
大手電力会社エーオンのヨハネス・タイセン最高経営責任者(CEO)は8月12日、今年上半期(1~6月期)の業績を発表した記者会見で「コロナ危機の影響で今年の営業利益見通しを約8%、当期利益見通しを約12%下方修正せざるを得ない」と述べた。
ただし、上半期の売上高は前年同期比で91%増、145億ユーロ(約1・8兆円)も増えた。業界最大手のRWEから子会社の送配電会社イノジーを買収し、その業績が伸びたからだ。
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週刊エコノミスト
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