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週刊エコノミスト Online 闘論席

古賀茂明の闘論席

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

 安倍晋三政権の特色の一つに、「官邸による官僚支配」がある。これは、いつからどのように進んだのだろうか。

 内閣人事局の創設がその契機だという説がある。それは2014年5月のことだが、それよりかなり前に、霞が関の幹部官僚たちの度肝を抜いた出来事があった。13年8月の内閣法制局長官人事だ。法制局長官は、時に各省庁が出そうとする法律などにNOを突き付け、重要な政策の帰趨(きすう)を決することもある。人格、能力ともに一段優れている者でないと務まらないため、法制局で選びぬかれ経験を積んだ法制局次長が長官になるのが慣例だった。

 ところが、安倍首相は集団的自衛権の行使容認には「憲法改正が必要」という一貫した政府の解釈を変更して、集団的自衛権を合憲とするために、法制局勤務の経験のない外務官僚である小松一郎駐仏大使を起用した。

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