新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

各専門家が徹底検証 戦後昭和史再考促す良書=井上寿一

 すでに6冊が刊行されているちくま新書の『昭和史講義』シリーズに戦後編が加わった。筒井清忠編『昭和史講義【戦後篇】(上)』(1100円)は敗戦後の約10年間、(下)(1100円)は1960年代以降の時期を守備範囲としている。

 上巻で注目されるのは、「第14講 ラストボロフ事件」である。シベリアの日本人抑留者が対ソ連協力者から対アメリカ協力者にさせられる悲劇は、冷戦が戦後昭和の日本に及ぼした過酷な影響を実感させるのに十分な論証が展開されている。

 この章と「第3講 シベリア抑留」を併せ読めば、敗戦によって平和が訪れたのではない、受難の戦後昭和史像を知ることになる。

残り585文字(全文868文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事