教養・歴史書評

各専門家が徹底検証 戦後昭和史再考促す良書=井上寿一

     すでに6冊が刊行されているちくま新書の『昭和史講義』シリーズに戦後編が加わった。筒井清忠編『昭和史講義【戦後篇】(上)』(1100円)は敗戦後の約10年間、(下)(1100円)は1960年代以降の時期を守備範囲としている。

     上巻で注目されるのは、「第14講 ラストボロフ事件」である。シベリアの日本人抑留者が対ソ連協力者から対アメリカ協力者にさせられる悲劇は、冷戦が戦後昭和の日本に及ぼした過酷な影響を実感させるのに十分な論証が展開されている。

     この章と「第3講 シベリア抑留」を併せ読めば、敗戦によって平和が訪れたのではない、受難の戦後昭和史像を知ることになる。

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