教養・歴史書評

白石の公正さ、宣長の誤り…日本の歴史書を通観した名著=今谷明

 日本人が自国の歴史をどのように著してきたか、これを古代から近代まで通観した書物は、実はありそうでほとんど見当たらない。

 坂本太郎著『日本の修史と史学 歴史書の歴史』(講談社学術文庫、1110円)は、60年以上前に出版され、評者の学生の頃のテキストに指定されていた本。長らく品切れだったのが、最近新たに解説を付され、文庫本として再刊されたものである。

 ここでいう修史は官撰(かんせん)史つまり政府の編さんした史書であり、まず古代の記・紀(古事記、日本書紀)以下の六国史(りっこくし)や鎌倉期の『吾妻鏡(あづまかがみ)』、さらに江戸幕府編集の諸史書などの意義が解説されている。

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