週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

創造性と効率性のジレンマ=生稲史彦

ノウハウの蓄積は停滞ももたらす

 現在のコロナ禍で、我々は生活や仕事をはじめ多くのことを変えざるを得ない状況に陥っている。だが、このような状況だからこそ、新しい製品やサービスの提供、新しいビジネスなどを始めようと考えている人も多いだろう。

 その新しい何かを始めるためには、経営学では技術と市場の変化の他、ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源に着目して考えることが大事だ。さらに欠かせないものとして新しいものを創り出そうとする「意欲」「創造性」の発揮がある。

 この連載では、筆者が専門とするゲーム産業やコンテンツ産業などを題材として、企業経営と創造性の発揮について考える。その際、創造性が発揮された時に企業経営や産業はどう変わる可能性があるか提示する。「どうすれば創造的な組織になるのか」「創造的な人材はいかに育成できるのか」といった創造性そのもののマネジメントも大事だが、創造性が発揮された後のマネジメントも重要だからだ。それは創造性を発揮する人々を支え、…

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