週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

科学的根拠なき政策形成=高野久紀

今年月の連休では「Go To トラベル」の利用者も
今年月の連休では「Go To トラベル」の利用者も

既存モデル応用で事前検証を

 近年、「科学的証拠に基づく政策形成(EBPM=Evidence-based Policy Making)」を求める声があちらこちらで上がっている。先の国会で、野党議員が「エビデンスはあるんですか」と時の首相に質問したのは、その文脈がどうであれ、エビデンス(科学的根拠)という言葉を20年近く前から使い続けている我々としては、隔世の感があった。

 10年ほど前に筆者の共同研究者が日本の某援助機関にエビデンス形成のための政策評価の打診をしても、返ってくる言葉はほとんどが「効果があるのは分かっているのに、なぜ評価が必要なのか」「くれぐれも現場の邪魔にならないようにしてくれ」というものだった。

残り2496文字(全文2804文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事