週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

科学的根拠なき政策形成=高野久紀

今年月の連休では「Go To トラベル」の利用者も
今年月の連休では「Go To トラベル」の利用者も

既存モデル応用で事前検証を

 近年、「科学的証拠に基づく政策形成(EBPM=Evidence-based Policy Making)」を求める声があちらこちらで上がっている。先の国会で、野党議員が「エビデンスはあるんですか」と時の首相に質問したのは、その文脈がどうであれ、エビデンス(科学的根拠)という言葉を20年近く前から使い続けている我々としては、隔世の感があった。

 10年ほど前に筆者の共同研究者が日本の某援助機関にエビデンス形成のための政策評価の打診をしても、返ってくる言葉はほとんどが「効果があるのは分かっているのに、なぜ評価が必要なのか」「くれぐれも現場の邪魔にならないようにしてくれ」というものだった。

残り2496文字(全文2804文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月6日号

上がる金&揺らぐドル 史上最高値への地殻変動16 米実質金利との逆相関 崩れた背景に中銀の買い ■村田 晋一郎/谷道 健太19 これで分かった! 「金」の基礎知識 Q&A ■池水 雄一 徹底展望 2023年末 金価格の見通し22 2300ドル 非民主的国家が買い増し 西側への不信で分断拡大 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事