三井物産 病院事業を核に事業展開=菅原正人
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ヘルスケアでは、2019年3月に、シンガポールやマレーシアなど10カ国で病院を展開する「IHH」の筆頭株主(32・9%)になった。この病院事業が成長戦略の「1丁目1番地」になる。
商社と病院は従来、結びつきにくかった。しかし、当社は医薬品や医療機器などのトレーディングを通じて製薬業者や顧客とのネットワークがある。人と物とお金など基本要素が集まっており、事業運営の経験が生かせる場だ。最近は投資ファンドも参入しているが、医療というサステナビリティー(持続可能性)が問われる世界では、当社のほうが現場目線で長期的な責任を負うことができる。「三井物産」のブランドが医療業界で認められることは私たちの悲願だ。
病院事業を含むヘルスケア・サービス分野の純利益は20年3月期で284億円。今後も右肩上がりの計画を立てている。そのための戦略は、まさにデジタル化だ。具体的にはコロナ禍以前より遠隔診療を始めており、現状はシンガポールやインド、トルコなど8カ国に広がっている。やはりコロナの影響があって加速化し、より力を入れていくことになる。利用者の情報管理を徹底しながら整理し、病院の経営そのものに役に立てていく。
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週刊エコノミスト
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