デジタル化 地方にチャンスでも 格差拡大、雇用不安=永浜利広
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菅新政権の発足を受け、注目度が高まっているのが「デジタル化」だ。政府は行政サービスでの押印の廃止やオンライン取引の容認、オンライン診療の恒久化、税金や社会保険料の電子決済サービスの導入などデジタル化に向けた検討を進めている。
デジタル化により、時間や場所の制約を超えた活動が可能となり、市場の拡大や、市場の細分化が予想される。他方、デジタル関連産業があらゆる分野に進出することで従来のビジネスモデルが成り立たなくなり、破壊を引き起こすことが予想される。デジタル化で代替されてしまう伝統的な分野は、こうした変化に対応するためビジネスモデル自体を変革していく必要がある。
経済成長のエンジンと期待されるデジタル化だが、懐疑的な見方もある。デジタル化が進んだ先進国で、国内総生産(GDP)の成長がリーマン・ショック後、停滞していることなどがその理由だ。さらに、世界の労働分配率の変化に基づき、デジタル化は特に先進国の中間層の雇用や所得分配に影響を及ぼすことで、国内での格差拡大を助長するという見方もある。
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週刊エコノミスト
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