週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

求められる「観光資本」の維持=吉田裕司

    サービス収支最適化にGoTo有効

     21世紀の日本の経常収支は、大きく変化してきた。その一因は、外的ショックにある。世界需要を落ち込ませた2008年の世界金融危機、国内生産基盤に亀裂を生じさせた11年の東日本大震災……。そして今回の新型コロナウイルス禍は、これまでとは全く異なる影響をもたらした。

     経常収支は、貿易収支、サービス収支、所得収支に大きく分けられる。貿易収支は一国の輸出から輸入を差し引いたもの、サービス収支は一国のインバウンド旅行・輸送からアウトバウンド旅行・輸送を差し引いたもの、所得収支は海外から得られる所得(労働と資産運用)から海外へ支払う所得を差し引いたものである。

     日本の経常収支は長年、貿易収支とほぼ同じ動きをしてきた。輸出にけん引された巨額な貿易収支黒字が、そのまま経常収支の黒字となっていた。だが貿易収支は11年に31年ぶりの赤字となって以降、大幅な黒字に戻ることはなかった。一方、赤字だったサービス収支は、高まるインバウンド需要によって19年に黒字に転化した。

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