マーケット・金融THE MARKET

東京市場 ストラテジストが読む バイデン氏当選なら日本株に好機=秋野充成

     投資対象のバリュー(割安)株への移行が本格化する気配だ。世界レベルで見た場合のバリュー株移行は、日本株の再評価とアンダーパフォーム(運用成績が指標を下回ること)解消につながる。要因は二つある。一つは、菅義偉内閣の誕生だ。菅政権の性格は海外からみて、安倍政権の継承に加えて、規制緩和とデジタル化推進のプラスアルファを印象づけており、安定感と多少の変革期待から好感されている。

     もう一つが、米国で「バイデン大統領」誕生の可能性が高まっていること。各種世論調査によれば、現状では大統領に加え、上下両院ともに民主党が制する可能性が高まっている。その場合の株式市場の反応は、以前は「トランプ株高」「バイデン株安」のイメージがあったが、最近の論調は、法人税増税や、巨大IT企業の規制に先行する3兆ドル(315兆円)以上の景気刺激策に反応して株高、金利上昇が見込まれている。

     ただし、物色の流れが大きく変化することが予想される。3月以降、コロナ禍で過剰流動性が急拡大したことを背景に株価収益率(PER)が上昇したグロース(成長)株が大いに選好された。しかし、夏以降の米長期金利上昇(0・3%程度)と、米司法省によるグーグル提訴(反トラスト法)で口火を切った巨大IT企業への規制を嫌気して、GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)や「ナスダック100」(ナスダック市場で金融株除く時価総額上位100社で構成される株式指数)の調整が起こる可能性が高まる。

     全体相場は大きな下落はなく、景気刺激策に反応してシクリカル(景気循環)株とバリュー株が買い戻される展開が予想される。すでに、バリュー株指数の代表格である「ラッセル2000」がナスダック100を10月以降の騰落率で上回り始めている。世界的なグロース株優位の展開においては米国株買い・日本株売りのポジション(持ち高)が浸透していたが、バイデン大統領誕生となれば、これを巻き戻す誘因になるだろう。

    (秋野充成・いちよしアセットマネジメント取締役)

    インタビュー

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    5月25日号

    狙える不動産14 大手から個人まで 沸騰! 不動産投資 ■中園 敦二16 不動産CFの注意点 事業者の信用力や目利き力を要確認 ■成本 治男18 J─REIT 手堅くいくなら物流と住居系 ■関 大介21 インタビュー 唐池恒二 JR九州会長 「REIT参入で不動産事業拡大 貸倉庫・貸物流拠点も展開す [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事