週刊エコノミスト Online闘論席

片山杜秀の闘論席

    撮影 大西岳彦
    撮影 大西岳彦

     日本学術会議はなぜあるか。会議が設置されたのは戦後4年目の1949(昭和24)年。日本の敗戦を決定づけた大きな要因は原子爆弾であった。18世紀の産業革命以来、科学技術の進歩は加速度的になる一方、戦争の勝敗も国の経済力も、科学技術の発展次第で決まる。科学の先端を知らねば、もはや国家も世界も未来を描けない。ところが行政府も立法府も歴史的に文系が強い。理系の先端的研究者が選挙運動に励んで国会議員になるのもあまり現実的ではあるまい。

     だからこそ日本学術会議が設けられた。それは首相直属の科学者議会である。文系も入っているが、実はあまり重要ではない。第三次世界大戦でもエネルギー問題でも、科学技術が世界の運命を決する前に、科学者が首相に必要な理系的知識を授け、日本を導く力とする。衆議院や参議院よりも、科学の時代にはよほど重要かもしれない科学者議会を、立法府に作れなかったので、行政府に首相直属の会議体として置いたわけだ。

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