新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

「極私」の日記として読み直す新たな試み=今谷明

 藤原定家(ていか)といえば、小倉百人一首や新古今和歌集撰者(せんじゃ)として、また「三夕(さんせき)」(新古今集の「秋の夕暮れ」を結びとする3首の名歌)の一人として、もっぱら歌詠(よ)みの側面が知られている。しかし『更級(さらしな)日記』の復元的研究から「定家仮名遣(かなづかい)」と呼ばれるように、王朝文学の研究家、国語学者としても専門家から重視されている。

 だが何と言っても、彼の日記『明月記(めいげつき)』の面白さから、主として歴史学者に鎌倉初期の記録家として尊重されているのは周知のところ。時代が公家政治から武家政治への転換期にあたり、源平の内乱、承久(じょうきゅう)の乱などにまたがることから、なおさら史家の注目を浴びて今日に至った。

残り690文字(全文1013文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事