新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 アートな時間

映画 バクラウ 地図から消された村 歴史、暴力、呪術、闘い…… ジャンルを越境する快作=怪作=勝田友巳

 南米大陸の映画は油断ならない。ドキュメンタリーでも娯楽作でも、気楽な話だと思っていると実は血塗られた歴史が沈殿していて、それが不意に顔を出す。

 いくつものジャンルが融合したようなこのブラジル映画も、予想を裏切りながら観客を引き回し、思いも寄らぬところに連れて行く。

 人里離れた片田舎にあるバクラウに、タンクローリーに乗ったテレサが帰郷する。祖母の葬儀のために、水を運ぶ車に同乗したのだ。久しぶりに村を訪れたテレサとともに、観客はバクラウに入り込む。

 バクラウは水が不足しがちで、原因は市長が利権のために造ったダムにあるらしい。再選を目指す市長が村人の歓心を買おうと訪れると、姿を隠し罵声を浴びせる。子どもたちに勉強を教える長老、少々いかれた老女医、犯罪の過去があるらしいリーダー格の男。わけありげなバクラウの村と住民たちを、思わせぶりに点描してゆく。

残り835文字(全文1211文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

11月26日号

データセンター、半導体、脱炭素 電力インフラ大投資18 ルポ “データセンター銀座”千葉・印西 「発熱し続ける巨大な箱」林立■中西拓司21 インタビュー 江崎浩 東京大学大学院情報理工学系研究科教授、日本データセンター協会副理事長 データセンターの電源確保「北海道、九州への分散のため地産地消の再エネ [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事