タイ 緊迫化する反政府デモ 入国規制で沈む観光立国タイ 王室への不満爆発させた生活苦=北野ちぐさ
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タイの首都バンコクで9月19日、学生団体が主催する大規模な反政府デモが行われた。会場となった名門タマサート大学は、1973年のクーデター「血の日曜日事件」で多くの犠牲者を出した民主化の象徴的な場所だ。デモ隊は翌20日、ワチラロンコン国王に宛てた抜本的な王室改革を求める公開書簡を手に、王宮まで行進。現地メディアなどによると参加者はおよそ5万人に上り、2014年のクーデター以来、最大規模のデモとなった。
10月には、政府が大規模集会をもくろむ学生たちの動きを封じようと、首都バンコクを対象に非常事態宣言を発令。学生たちはそれに逆らって5日間に及ぶデモを強行し、警察が主催団体のリーダーなど20人以上を逮捕、デモ隊を高圧放水で強制排除するなど、事態は緊迫度合いを増している。
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週刊エコノミスト
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