EV用電池「国盗り物語」=編集部
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世界で電気自動車(EV)が本格的な普及期を迎えつつある。完成車メーカーがEVの生産・販売を急ぐ中で、成否を左右するのが基幹部品のリチウムイオン電池だ。
EV車載用電池の世界の市場規模は金額ベースで2018年の1兆3400億円(実績)から20年には1兆7000億円(見込み)へ堅調な拡大が予想され、さらに21年からは成長ペースが加速し、35年には15兆円に達する可能性がある(図)。この巨大な成長市場で、中国、韓国、日本の電池メーカーが覇権争いを展開している。
現在の主力メーカーは中国の寧徳時代新能源科技(CATL)、パナソニック、韓国のLG化学の3社だ。ガソリンなど内燃機関車のエンジン開発は先進国メーカーが中心だったが、電池はCATLの勢いが鮮明だ。中国政府がEV用電池の開発を国策として打ち出し政府からの補助金で多額の設備投資が可能になっていることが背景にある。
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週刊エコノミスト
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