週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

「行動」と「感染」の微妙な関係=吉田裕司

「感染拡大→自粛」は6月まで

 新型コロナウイルスの第3波が深刻さを増している。「冬の乾燥に加え、GoToキャンペーンなどによって感染が拡大した」という見方もある。私たちの行動と感染者数の増減には実際どのような関係があるのだろうか。

 本稿の分析に取り掛かった11月11日時点で、累積感染者数が最も多い都府県は東京・大阪・神奈川・愛知で、いずれも7000人を超えている。最も少ない4県は岩手・鳥取・秋田・山形の4県で、それぞれ100人以下だ。まず、在住する地域の感染者数の多少は、人々の行動量に影響を与えているかどうか、調べてみよう。

 使用するのは、グーグルが公開している「COVID−19 コミュニティモビリティレポート」だ。スマートフォンの位置情報をオンにしているユーザーの行動を地域別に集計したもので、特定の場所への訪問数について、1月3日から2月6日までの曜日別中央値からの増減率を示している。データの解釈には注意が必要だが、ある程度全体像を表していると考えてよいだろう。今回は「小売店・娯楽施設」への訪問数を分析した。

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