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経済損失の小ささを喜べない日本=斎藤太郎

 2020年7〜9月期の日本の実質国内総生産(GDP)は前期比年率換算で21・4%増の高成長となったが、米国の33・1%、ユーロ圏の60・5%を下回った。

 日本のリバウンドが小さかった一因は、新型コロナウイルスの影響を主因とした20年1〜3月期、4〜6月期の落ち込みが欧米よりも小さかったことだが、コロナ禍の落ち込みからの回復率(1〜3月期と4〜6月期の落ち込み幅に対する7〜9月期の増加幅)で見ても、日本は52・2%にとどまり、米国の65・7%、ユーロ圏の70・7%に劣っている。

 コロナ禍からの立ち直りが早かった中国は、20年1〜3月期こそマイナス成長となったものの、4〜6月期にはプラス成長に転じ、回復率(1〜3月期の落ち込み幅に対する4〜6月期と7〜9月期の増加幅)は132・4%に達している。

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週刊エコノミスト

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