ブレグジット最終局面 争点先送り「部分合意」か 輸入農作物に高関税=菅野泰夫
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離脱協定で決められた2020年12月末の移行期間終了まで残りわずかとなったが、本稿執筆時点で、英国とEUとの将来的な関係性を巡る協定交渉の行方はいまだ予断を許す状況にはない。EUのバルニエ首席交渉官は11月27日にロンドン入りして、対面交渉を再開したものの、妥結に至らず、12月6日から、交渉の場所をブリュッセルに移した。打開策を模索しているものの、いまだに漁業権と公平な競争条件(LPF)という6カ月前と同じ争点で膠着(こうちゃく)している。
EUは前例にない条件である非関税、数量割り当てなしの通商協定を結ぶのであれば、それと引き換えに英国は環境、労働者、消費者の保護、そして企業への補助金について、公平な競争条件を確保し、EUの基準に従うべきであると一貫して主張している。また21年1月以降もEUは、現状通り英国の排他的経済水域(EEZ)でのEU船籍の操業継続を要求している。一方の英国は、EU離脱後には離脱前の旧式の漁獲割り当て方法をや…
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週刊エコノミスト
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