オーステッド 脱炭素で注目、洋上風力の最大手=児玉万里子/322
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◆Orsted
オーステッドは、世界最大の洋上風力発電会社である。前身は1972年設立のデンマーク国営の石油・ガス会社だ。同国の中東の石油への依存を軽減し、北海の原油・天然ガスの開発を進める目的で設立された会社である。当初社名はDansk Olie & Naturgasの頭文字をとってDONGと呼ばれたこの会社は、2000年代に電力事業へ向かい、06年に電力会社など数社と合併。同時に、石油・ガスの専業会社からエネルギー企業へと衣替えし、社名もDONGエナジーとなった。
そして、08~09年に今日につながる大きな決断を下す。化石燃料(石油・石炭)依存から再生可能エネルギーへのシフトである。09年は首都コペンハーゲンでCOP15(国連気候変動会議)が開催され、CO2などの温室効果ガスの排出規制への注目が高まっていた年である。同社の業績は決して悪くなく、売り上げはコンスタントに伸びており、利益も増減はあったものの高水準だった。それにもかかわらず、大胆に事業内容を変え…
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週刊エコノミスト
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