コロナで貨物輸送が混迷 運賃15倍や2週間遅れも=岩下祐一
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新型コロナウイルス禍で、国際貨物輸送が混乱している。日中間も海運、航空ともに運賃の高止まりが続き、一部では遅延も発生。日本製の生地などを中国で販売する際の足かせになる恐れもある。
海運は、コロナ禍に端を発したコンテナ不足により、運賃が高騰している。中国発北米向けの海上運賃は従来、40フィートコンテナ1個当たり約2000ドル(約21万円)だったが、昨年は2倍、3倍と値上がりが続き、今年は1万ドル(約104万円)を超えると言われている。「これほどの高騰はこの30年で初めて」と日系運送会社関係者は話す。
昨年2月、コロナ感染が中国から世界各国に広がる中、海運各社は需要の低迷を見越し、コンテナをリース会社に一斉に返却。これらコンテナの一部は廃棄された。ところが5月から中国経済が回復し、海運需要が戻ったことで輸送スペースが逼迫(ひっぱく)。中国から欧米に運ばれたコンテナはコロナ禍の混乱で荷さばきが遅れて現地の港に滞留、コンテナの不足に拍車がかかった。
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週刊エコノミスト
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