強固ではない政権基盤の新大統領が背負う“荷物”=川上直
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筆者が2018年にワシントンDCに赴任した際、最も楽しみにしていたのが大統領就任式だった。1月20日に開かれたバイデン新大統領の就任式を間近で体感できたのは幸運だった。全国民でお祝いしようということだろう、完全オンライン授業が続く当地の公立学校でも、子どもたちが大統領就任式をテレビで視聴できるよう、授業日程が調整された。ただ、子どもたちと一緒に見た米国政治最大のイベントは、当初想像していたものとは大きく違う異例づくしのものだった。
ワシントンDCは就任式の1週間前から厳戒態勢が敷かれ、ホワイトハウスに程近い筆者のオフィスも閉鎖区域に入った。通常であれば、国会議事堂からワシントン記念塔に続く緑地帯は大統領就任を祝う大勢の人で埋め尽くされるが、それも閉鎖され、代わりに約20万の星条旗で埋め尽くされた。
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