崖っぷち経済 期待が失望に変わり廃業選択 景気の二番底が現実味帯びる=木内登英
新型コロナウイルスの感染拡大が急加速したことを受け、政府は年明け直後に2回目となる緊急事態宣言発令の検討に入った。1月8日には、首都圏の4都県を対象とする1カ月間の宣言が発令されたが、1月13日には大阪、愛知など7都府県も対象に加えられた。対象となる地域の経済規模(県民所得)は全国の60・6%と、6割に達した。1カ月続けられた緊急事態宣言で失われた個人消費は2・3兆円、1年間のGDP(国内総生産)の0・4%に相当する規模になったと試算される。さらに2月2日には、緊急事態宣言の延長が決まり、栃木県を除く10都府県は3月7日まで延長となった。
その結果、個人消費の減少分は2カ月間の合計で5・8兆円に達する計算だ。これは1年間の名目GDPの1・0%に相当する規模だ。それによって、1〜3月期の実質GDP成長率は20年4〜6月期に続いて、再びマイナスとなる可能性がかなり高まるだろう。さらに5・8兆円の個人消費が失われることで、失業者は22・9万人増加し、失業率は0・3%上昇する計算となる。また、今後の感染動向次第では、4〜6月期の実質GDP…
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週刊エコノミスト
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