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教養・歴史 アートな時間

舞台 子午線の祀り 「平家物語」を題材に天の視点から人間描く=濱田元子

野村萬斎(中段左端)、成河(手前中央) 細野晋司撮影
野村萬斎(中段左端)、成河(手前中央) 細野晋司撮影

「見るべき程のことは見つ。今は自害せん」

 平家の栄枯盛衰を描く鎌倉時代の軍記物「平家物語」。源平の雌雄を決した壇ノ浦の合戦に敗れ、入水した平知盛の最期の言葉として描かれる。

 この「平家物語」に材を取り、天の視点から人間の葛藤を描く木下順二の傑作戯曲である。

 1979年の初演は、能・狂言や歌舞伎、現代演劇といったジャンルの枠を超えた俳優が結集。複数の俳優による「群読」という朗唱スタイルが随所にちりばめられ、豊潤な言葉の世界が観客を揺さぶってきた。

 何度も上演が重ねられてきた伝説の作品を2017年、新演出で上演したのが狂言師で世田谷パブリックシアター芸術監督の野村萬斎。99年からは知盛役を務めてきた。

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