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インド 苦境続く航空業界=榎田真奈

国営航空エア・インディアは政府が倍加役に動いている NNA撮影
国営航空エア・インディアは政府が倍加役に動いている NNA撮影

 インドの航空業界は苦境が続いている。格付け会社ICRAによると、航空業界の本年度(2020年4月~21年3月)の赤字額は前年度比65%増の2100億ルピー(約3047億円)に拡大する見通しだ。

 新型コロナウイルスの感染対策により、インドで定期旅客便の運航が許可されているのは国内線のみ。国内の旅客便は段階的に運航数と運賃制限が引き上げられているが、燃料価格の上昇により利益は相殺される可能性が高い。

 ICRAによると原油価格は昨年5月前後に底値となった後に上昇。コロナ前と比べるといまだ低い水準だが、価格の上昇が続けば航空各社の利益に影響がでそうだ。地元各紙によると、運賃は先ごろ最大30%引き上げられたが、アナリストはこの利益を相殺する恐れもあると指摘する。ICRAは2月の報告書で、航空業界の信用見通しを「ネガティブ」に据え置いている。

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