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長期金利が上がると株価は下がるのか=愛宕伸康

 2月26日の東京市場で、長期金利が大幅上昇したことを材料に日経平均が前日比で1000円を超える急落となった。その後も長期金利が上昇すると株価が下がる展開が続き、市場ではその解釈を巡って議論が錯綜(さくそう)している。

 押さえておかなければならないのは、最近の長期金利上昇が日本に限った現象ではないという点だ。米国でもドイツでも同じことが起きている(図1)。つまり、各国に共通するマクロ経済的な動きが背景にあるということだ。

 言うまでもなくそれは、景気回復期待とインフレ予想の上振れだ。ワクチン接種が進む中、新型コロナウイルスの感染が各国で収束しつつあり、これまで打ってきた大規模な経済対策が効果を発揮すると期待されている。中でもバイデン新政権の大型対策が実施される米国は、2月23日号の小欄で今年の実質成長率が8%になるとの試算を紹介したが、それが現実味を帯びてきている。

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