週刊エコノミスト Online学者が斬る・視点争点

「起業ブーム」の意外な落とし穴=岩尾俊兵

    真の技術革新に「視野の広さ」必要

     世の中、「起業ブーム」だ。昨今は、起業セミナーやビジネスコンテストが乱立し、起業志望者と投資家とのマッチングの場が設けられ、学生起業がもてはやされる。就職情報大手マイナビが実施している「大学生就職意識調査」では、卒業後に就職しないことを想定した場合の選択肢として起業を希望する人の割合は、文理・男女の別を問わず、2001~20年までの20年間でおおよそ2倍に伸びている。

     もちろん、企業家(起業家)精神を持った社会人や学生が増え、そうした人たちに「起業が失敗しにくくなるような方法論」が提供されること自体は、社会にとって望ましいだろう。しかし、筆者の研究によれば、アイデアを持つ人(アイデアパーソン)と投資家がそこら中で出会うような社会では、むしろイノベーション(技術革新)が生まれにくくなるという本末転倒的な落とし穴がある。

    残り2297文字(全文2677文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    4月20日号

    バブル前夜 金利上昇の恐怖16 バフェットが日本株買い増し 成長株から割安株へシフト ■編集部20 ITバブル再来 年末3万5000円の「新技術バブル」 ■平川 昇二24 高まるバブル懸念 パウエル流の金融緩和継続に FRBは一枚岩ではない ■鈴木 敏之27 アンケート1 2022年の日米成長率と米 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事