「裁量」抜きの電波利用権配分を=芹澤成弘
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電波オークションで携帯業者決定
放送事業者の東北新社幹部、通信事業者のNTT幹部、監督省庁の総務省官僚の会食が報道されて以降、強い批判が起きている。しかし、より強く批判すべき根本的な問題は、電波利用権の配分に総務省の「裁量」が大きいことである。配分方法は総務省(委員会)が事業者の計画を比べて決める「比較聴聞方式」が取られている。
電波利用権を配分されている事業者は、巨額の利益を上げている企業が多い。事業に適した電波周波数帯は有限なので、電波利用権が経済的レント(資産を利用して得る余剰価値)をもたらしている。総務省が2005年に作成した「放送局に対する外資規制について」によると「地上放送は、国民的財産である公共の電波を使用するものであり、その有限希少性が強い」と記されている。電波利用権は、それを使った事業の単年度分だけでは…
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週刊エコノミスト
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