中国のグリーンファイナンス 貸出残高が世界最多に拡大=神宮健
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中国は、二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までにピークアウトさせ、60年までにカーボンニュートラル実現(CO2排出量を吸収量で相殺してネットでゼロにする)を目指している。巨額の資金調達が必要なことから、グリーンファイナンス(緑色金融)が重要になっている。
中国では、グリーンファイナンスは、「環境保護、省エネ、クリーンエネルギー、グリーン交通、グリーン建築等の分野のプロジェクトの投融資・運営・リスク管理等」に対する金融サービスとされる(16年、中国人民銀行(中央銀行)他7省・委員会「グリーンファイナンス体系構築に関する指導意見」)。
これまでを振り返ると、1990年代から環境保護政策の一環として銀行貸し付けが利用されていた。12年に、銀行業監督管理委員会(現・銀行保険監督管理委員会=銀保監会)が、銀行に組織・貸し付け政策・プロセス・内部管理等を整え、グリーン貸し付けを推進させる綱領「グリーン貸し付け手引き」を発表。13年には、「グリーン貸し付け統計制度」を制定し、対象となる分野が示され、グリーン貸し付けが本格化した。
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週刊エコノミスト
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