目に見えない企業価値を築く=新浪剛史/8
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2002年5月、43歳でローソン社長に就任した。社外から来た社長が信頼を得るためには、すぐに業績面での成果を上げなければならない。ただ、株価をにらんで短期的に収益を上げられたとしても、継続的に事業が成長できない状態になってしまってはいけない。そういったジレンマの中で出会ったのが「渋沢栄一」だった。
知人で渋沢の玄孫(やしゃご)に当たる渋沢健氏(コモンズ投信会長)と渋沢関連著書もある作家の守屋淳氏らが集まって、渋沢が講演で語った経営思想を1冊にまとめた書籍『論語と算盤(そろばん)』を読む会を開いていた。3年ほど勉強し、渋沢健氏とは企業経営の実体験に基づいた議論を重ね、守屋氏からは論語を中心に漢籍を学んだ。
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週刊エコノミスト
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