新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

フーコー没後三十余年 「性の歴史」ついに完結=本村凌二

「あなたは人間ですか、それとも男(あるいは女)ですか」と問われたとしよう。どちらを強く意識しているかとなると、私なら後者と答えるかもしれない。そうであれば、じつのところ、性愛を語ることはその社会の深層にふれることにもなる。

 20世紀の巨星ミシェル・フーコーもその問題群にぶつかり、『性の歴史』全4巻(新潮社、第Ⅰ巻3080円、第Ⅱ巻・第Ⅲ巻各3850円、第Ⅳ巻4730円)を書きあげた。

 第Ⅰ巻『知への意志』では、性の真実を知ろうとすることがなぜ西洋近代でおこったのかが問われた。そこには性の抑圧・禁止よりも、性を言説化しようとする社会全体の要求が潜んでいたという。だが、この原著が1976年に出版されながら、企画は大きく変更されてしまう。

残り580文字(全文900文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事