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コロナのストレス緩和 「身内を褒める文化」=小林知代

コロナ時代のコミュニケーション Bloomberg
コロナ時代のコミュニケーション Bloomberg

 新型コロナウイルスが米国でパンデミック(感染爆発)を引き起こしてから1年余り。この間、旅行もままならず、友人との会食も制限されるなど、あらゆる行動が制限され、ストレスがたまる中で、筆者の心を温めてくれたのは、米国人の「身内を褒める」姿勢であった。

 弁護士を目指し、今年、ロースクールに入学するパトリック君は、筆者の経営するコンサルタント会社でリサーチャーを務めて以来の縁だ。最近の雑談で、「僕が世界で最も尊敬しているのは父なんだ」と話していた。父親はマーケティングに携わるクリエーターで、個人で会社を営んでいる。その父親のことを、思慮深く、常に冷静で、自分に厳しく、他人には寛大だという。このため、進路に迷った時は父親にアドバイスを求めるという。「父には感謝している。彼に大きな影響を受けた」と素直に他人に話す姿に、父親への真の尊敬心を感じた。

 訪米直後は、米国の「褒める文化」に新鮮な驚きを覚えたものだ。留学中の1980年代、大学のカフェテリアで男子学生が友人に「僕のガールフレンドはダイナマイトなんだ」と自慢していた場面は忘れられない。「ダイナマイト」とは、容姿、人格全てが彼にとって魅力的であることを意味していることは、口語表現がおぼつかない当時の筆者でも何となく伝わってきた。

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