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国際・政治 ワシントンDC

議事妨害「フィリバスター」に廃止・終結要件緩和の議論=吉村亮太

少数意見をいかに反映するか (Bloomberg)
少数意見をいかに反映するか (Bloomberg)

 ワシントンDCではフィリバスター制度の行方に注目が集まっている。

 フィリバスターは日本語では「議事妨害」と訳され、審議を続けることで議事進行を遅延させる上院の少数党の戦術のことである。議員がフィリバスターを宣言し、議場に居続ければ成立する。

 かつては、フィリバスターには議員が演説し続ける必要があった。事実、24時間以上粘った議員の「最長不倒記録」が残っている。しかし1975年に上院規則が改定された結果、肉体的・精神的苦痛を伴わずに維持できるようになったため、確実にフィリバスターを回避できるという確信が得られない限り、法案を取り上げないことが常態化している。それもあって、下院を通った法案の多くが上院で廃案に追い込まれる運命にある。上院が「法案の墓場」と揶揄(やゆ)されるゆえんだ。

 問題は、フィリバスターを終結させるのに、全議席の6割に当たる60人もの議員の賛同が必要なことだ。この40年間を振り返ると、どちらかの政党が60議席以上占めたことは一度もない。つまり、少数党側が制度を利用すれば、多数党の法案を阻止できるのだ。

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