ディスプレーを高機能化 進化するドライバーIC=津村明宏/51
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液晶や有機EL(エレクトロルミネッセンス)といったディスプレーは「映像を表示する装置」であり、これを正しく動作させるために不可欠なのがディスプレー駆動ICだ。一般的に「ドライバーIC」と呼ばれ、マッチ棒のような細長い形状をしているのが特徴で、ディスプレーを正確に駆動させるため、ディスプレーに最も近い場所に実装される。実装の形態には、ディスプレー回路を形成したガラス基板上にICを接続するCOG(Chip on Glass)や、ディスプレーに接続されたフィルム回路基板に配置するCOF(Chip on Film)などがある(図1)。
このドライバーICがあることによって、ディスプレーの回路設計が複雑化・大規模化するのを抑制する、つまりディスプレー自体を高精細化したり、省エネ化したりしやすくなるほか、過熱や過電流からディスプレーを守る役割も果たす。ディスプレーにタッチパネルが搭載されることが当たり前になった近年では、ドライバーICとタッチパネルのコントローラーICの機能を一つのチップに統合・集積化したTDDI(Touch Di…
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週刊エコノミスト
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