経済・企業いま学ぶ!渋沢資本主義

引き継がれる「知」ウェブ博物館=黒崎亜弓/10

渋沢邸で敬三が実業史博物館のために集めた資料などを展示した(1940年撮影)渋沢史料館提供
渋沢邸で敬三が実業史博物館のために集めた資料などを展示した(1940年撮影)渋沢史料館提供

 渋沢栄一の足取りや時々の考えを今、つぶさにたどることができるのは、『渋沢栄一伝記資料』の存在が大きい。全68巻、4万8000ページに及ぶ。同時代の記録が収められ、一人の人物のものとして世界に類のない規模とされる。テキストの75%が「公益財団法人渋沢栄一記念財団」のウェブサイトに公開されており、誰でも閲覧することができる。

『伝記資料』の編纂(へんさん)、それに近年の渋沢財団の資料デジタル化の基には、栄一の孫にあたる敬三の志がある。敬三は「(栄一についての)資料をできる限り集めておき、後に伝記を書く人に自由に使用させねばならぬ」と言っていたという。

残り2446文字(全文2722文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事