引き継がれる「知」ウェブ博物館=黒崎亜弓/10
有料記事
渋沢栄一の足取りや時々の考えを今、つぶさにたどることができるのは、『渋沢栄一伝記資料』の存在が大きい。全68巻、4万8000ページに及ぶ。同時代の記録が収められ、一人の人物のものとして世界に類のない規模とされる。テキストの75%が「公益財団法人渋沢栄一記念財団」のウェブサイトに公開されており、誰でも閲覧することができる。
『伝記資料』の編纂(へんさん)、それに近年の渋沢財団の資料デジタル化の基には、栄一の孫にあたる敬三の志がある。敬三は「(栄一についての)資料をできる限り集めておき、後に伝記を書く人に自由に使用させねばならぬ」と言っていたという。
残り2446文字(全文2722文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める