成長率は過去最高でも 「一難去ってまた一難」=真家陽一
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「我が国の経済は持続的かつ安定的に回復しており、今年のスタートは良好である」。中国国家統計局の劉愛華報道官は4月16日、2021年1〜3月期の経済運営に関する記者会見でこう強調した。
同局によれば、今年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比18・3%増と、過去最高の伸びとなった。項目別に見ると、消費および投資がそれぞれ33・9%増、25・6%増、輸出(ドルベース)も49・0%増と、いずれも大幅に増加している。好スタートの特徴として、劉氏は(1)生産・需要の持続的な改善、(2)雇用・物価の総体的な安定、(3)(ハイテク産業など)新しい原動力の急速な成長、(4)質と効果・利益の着実な向上、(5)市場期待の好転──の5点を指摘した。
新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く収束させた中国は、20年の成長率が2・3%増と主要国の中では唯一プラス成長を達成した。今回の発表は経済が回復傾向を持続していることを示すものであり、主要国際機関が予測するように、通年の成長率が8%前後のV字回復を遂げる可能性が高いと見る向きも多い。
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週刊エコノミスト
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