総資産額は2200兆円 存在感が高まる中国の富裕層=岸田英明
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中国の富裕層の不動産を含む総資産額は約130兆元(約2200兆円)で、2020年の国内総生産(GDP)の1・3倍に相当する──。富裕層研究で知られる中国のシンクタンク、胡潤研究院がこのほど最新の調査結果を発表した。
19年末時点の総資産600万元(約1億円)超の富裕世帯は前年比1・7%増の399万世帯、金融資産だけでこのラインを超えたのは144万世帯だった。これに同年の中国の平均世帯人数(2・92人)を掛け合わせると、富裕層人口は総資産ベースで1165万人、純金融資産ベースで420万人と試算される。富裕層の純金融資産総額は、総資産の約5割が不動産だと仮定すると(中国人の総資産に占める不動産比率は「全家庭平均で約7割」という他機関の試算がある)、これを差し引いた65兆元(約1100兆円)ということになる。
なお日本に関して、19年の野村総合研究所の調査と同年の平均世帯人数(2・39人)から試算すると、純金融資産1億円超の富裕層人口は317万人、資産総額は333兆円である。単純比較はできないが、中国の純金融資産ベースでの富裕層人口は総人口比ではわずか0・3%と日本(2・5%)と比べて小さいが、1人当たり資産額は日本の2・5倍以上多い。
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週刊エコノミスト
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