教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

民主主義の危機を哲学で克服するには?=小川仁志

コロナの抑え込みに強権発動を望む声も。民主主義の危機と思うのですが/85

 Q コロナの抑え込みに強権発動を望む声も。民主主義の危機と思うのですが

 A 非常事態=例外状態での主権者の決定の恒久化を危惧する感覚を持とう

 コロナ対策で、一党独裁国家の中国が抑え込みに成功し、非常時には強権発動可能な体制を望む声もあります。でも、権力者に全権を与えると平時に戻った時、元に戻せるのか。民主主義は機能不全に陥ってしまうのではと心配です。(証券会社勤務・50代男性)

 新型コロナウイルスの感染拡大が報じられた初期、いち早く民主主義の危機に警鐘を鳴らしたのが、イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンでした。彼はかねて主張していた「例外状態」という概念をこの事態に当てはめ、ロックダウン(都市封鎖)などの強権発動が例外ではなく、恒久的になる危険性を指摘しました。

残り1074文字(全文1447文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月10・17日合併号

EV戦争202314 BYD、実質253万円の黒船EV 圧倒的な低価格で日本に照準■稲留正英17 トヨタのEV戦争 ソフトと製造の競争力確立が急務■中西孝樹23 中国で日本車苦戦 大衆車市場でシェア落とす■湯進26 急成長テスラ サイバートラックは予約200万件 ■土方 細秩子28 日本車への警鐘  [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事