思わぬ高額費用がインド州の予算を食い潰す…、ワクチン供給価格の怪=榎田真奈
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インド ワクチン接種が貧困州で負担に=榎田真奈
インドの経済発展が進んでいない州にとって、新型コロナウイルスワクチン接種の費用負担は重い。西部ムンバイの公益財団である支出・政策研究財団の調査部門インディアスペンドによると、東部ビハール州ではワクチン調達にかかる費用が今年度(2021年4月〜22年3月)の医療予算の3割に達する可能性がある。報告書で専門家は「必然的にワクチンの不平等な分配をもたらす」と指摘する。
インドでは5月1日から接種対象者が18歳以上に広がった。合わせて州政府と民間病院によるワクチン調達が許可され、18〜44歳の接種費用は州政府と民間病院で打つ個々の世帯が担う構図となった。州政府へのワクチンの供給価格は中央政府に比べて2倍以上高い。さらに民間病院への価格は州政府に比べ2〜3倍高額だ。財政状況の苦しい州政府は、結核などの医療予算を振り替えて費用を捻出するしかない。一方で中央政府の今年…
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週刊エコノミスト
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