教養・歴史書評

膨大な史料踏破して迫る 「忍びの者」の実情=今谷明

 伊賀(現三重県西部)といえば、近江甲賀(滋賀県南部)と並んで“忍者”の里として有名である。歴史的に地味な地域であるが、古代には壬申(じんしん)の乱で大海人皇子(おおあまのみこ)(のちの天武天皇)が逃亡した通路にあたり、また東大寺に大量の木材を供給する山林荘園(伊賀黒田荘)の地でもあって、地政学的に重要な場所であった。

 室町時代の守護は仁木氏(につきし)であるが、応仁の乱などでも大した役割は果たさず、戦国期にはこの地に大名が出現せず、土豪・地侍(じざむらい)が幅を利かす一揆の国となり、ひいて忍者の伝承を生んだと考えられる。

残り666文字(全文930文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月11日号

止まらない円安 24年ぶり介入第1部 市場の攻防15 亡国の円買い介入 財政破綻を早める ■編集部17 1ドル=70円台はもうない ■篠原 尚之 ドル高が揺さぶる「国際金融」 ■長谷川 克之18 円安 これから本格化する内外金利差の円売り ■唐鎌 大輔20 国力低下 米国の強力な利上げはまだ続く 円 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事