中国の景気減速が招く日本経済腰折れリスクの現実味=藤代宏一
中国減速で回復途上の日本経済に逆風が吹く=藤代宏一
一足先に景気回復を実現した中国は、政策当局が早くもアクセルペダルから足を離しつつあるようにみえる。これは景気回復の途上にある日本にとって、将来的な波乱要因になりそうだ。
5月の中国の貿易統計は、輸出入がともに強さを保ち、中国並びに世界経済が力強い回復軌道にあることを印象付けた。輸出は前年比プラス27・9%の伸び。昨年の反動によって実勢が把握しにくくなっている面があるとはいえ、過去数カ月は2019年との比較で20%台後半の伸びを示し、世界的な財需要の強さを裏付けている。
日本向けに関してはプラス5%と控えめだが、米国向けはプラス20・6%と高い伸びを維持し、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けはプラス40・6%と大幅に伸長している。そうした中、財貿易の活発さを反映するコンテナ船運賃指数は空前の高水準にある。
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週刊エコノミスト
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