教養・歴史書評

"まるで三国志? タイプライターを巡る欧・中・日の抗争史=加藤徹

    近代化の象徴としてのタイプライター抗争史=加藤徹

     トーマス・S・マラニー著『チャイニーズ・タイプライター』(中央公論新社、比護遥訳、4950円)は、異色の中国近代史だ。著者は米スタンフォード大学の中国史の教授。

     19世紀半ばに発明されたタイプライターは、西洋文明の圧倒的優越性を象徴する利器だった。人がしゃべる速さで、どんな内容も清書できた。各メーカーは技術の改良と販売の競争にしのぎをけずった。

     非西洋国では「タイプライターで書けない非効率的な文字を使う国は、文明国になれない」という焦りが広まった。欧文タイプの技術を応用し、タイのシャム語や、日本のカナ文字専用のタイプライターも開発された。一方、数万種類の漢字を使う中国では「打字機」(タイプライターの中国語訳)の開発は難航した。

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