米FRBの超緩和継続の先に待ち受けるインフレよりもっと怖いリスク=愛宕伸康
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超緩和継続による潜在成長率下振れリスク=愛宕伸康
米連邦準備制度理事会(FRB)は、少々のインフレでも今の超金融緩和を継続する構えだ。強い総需要とタイトな労働市場を実現することで潜在成長率を高め(図1)、2008年のリーマン・ショック以来続く低インフレから脱却しようとしている。
背景にはイエレン財務長官の持論である「高圧経済」、つまり経済の過熱を容認する政策がある。その下で昨夏からFRBは、意図的に引き締めを遅らせるビハインド・ザ・カーブ戦略をとる。
ところが、その戦略がいきなり正念場を迎えている。5月の消費者物価が前年比で5%跳ね上がるなど、想定以上にインフレリスクが高まっているのだ。FRBは「一時的な上振れ」だと主張しているが、高インフレを放置し過ぎれば所得が実質的に目減りし、消費にダメージを与える。
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週刊エコノミスト
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