長く大切に使うための住宅判断=長嶋修
有料記事
長く大切に使うための住宅判断/102
米国の住宅市場が好調なことや、新型コロナウイルス感染拡大による流通の停滞、さらに住宅建材の供給が滞る「ウッドショック」の影響もあって、日本国内の住宅市場も新築住宅の供給が遅れがちだ。
また、住宅価格は2012年末の自民党への政権交代以降、都心や都市部を中心に一本調子で上昇を続けてきた。しかし、コロナ禍で冷え込むかと思いきや、在宅勤務による住まいの見直しや、低金利も手伝って、需要は中古住宅にまで及んでいる。
ただし、中古住宅はいうまでもなく経年劣化している。当社の現場実例をご紹介しよう。まだ築浅の木造住宅の床下だ(写真(1))。一見、配管からの水漏れのようだが、当社のホームインスペクター(住宅診断士)が詳しく調べてみると、原因は外壁からの雨漏りだった。この場合、時間が経過し、壁の中が腐っていたりしたら厄介だが、壁の中は幸い乾いており、外壁の補修をするだけで済んだ。この程度なら、費用はそんなにかかるこ…
残り750文字(全文1173文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める