教養・歴史書評

オリンピックはもう要らない。元選手が世界中の反対運動を分析=荻上チキ

世界各地の調査を通じ大会の構造的問題を分析

 コロナがなかったとしても、オリンピックは多くの構造的な問題を抱えている。『オリンピック 反対する側の論理 東京・パリ・ロスをつなぐ世界の反対運動』(ジュールズ・ボイコフ著、作品社、2970円)は、元オリンピアンであり、同時にオリンピック研究者でもある著者による、オリンピック反対運動への観察をまとめた一冊。その批判ポイントを簡単にまとめてみよう。

 (1)オリンピックは常に過剰支出となる。東京以前までの大会での超過率は156%ほどであり、事前に提示されていた金額を大幅にオーバーすることが常態化している。

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