ハリス副大統領、キング牧師、注目議員……米国のリーダー輩出してきた「歴史的黒人大学」=小林知代
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ハリス副大統領、キング牧師輩出 歴史的黒人大学の存在感=小林知代
バイデン大統領は、米国社会の人種の割合とほぼ同等で、黒人、ヒスパニック、先住民、アジア系閣僚が半分を占める内閣を作った。その中でもカマラ・ハリス副大統領は、初の黒人女性、初の移民の子供、父親がジャマイカ移民、母親がインド系米国人という初の異人種と、現政権の多様性を象徴する人物だ。このハリス氏の出身校、ハワード大学が、米国の歴史上、数々の黒人のリーダーを生み出してきた歴史的黒人大学(HBCU=Historically Black Colleges and Universities)として注目されている。
HBCUは、南北戦争(1861~65年)後、奴隷解放が進みながらも、人種隔離政策によって黒人と白人が共に学ぶことが許されなかった時代に、黒人の高等教育拡大を理念に設立された大学である。南部を中心に現在100校ほどが存在する。今もなお自らのルーツを学ぼうと入学する黒人学生が多く、米国の高等教育の多様性を象徴し、著名な黒人政治家を輩出してきた。
公民権運動の指導者・キング牧師も、ジョージア州にあるHBCUであるモアハウス大学の卒業生だ。ハリス副大統領以外にも、今年、ジョージア州からの連邦上院議員選挙で当選し、共和党との議席数を50対50の同数に持ち込んだラファエル・ウォーノック氏も、HBCUのモアハウス大学の卒業生である。昨年大統領選でのバイデン氏勝利の立役者と言われているジョージア州の元下院議員ステーシー・エイブラムス氏も、歴史的黒人女子大学(HBWC=Historically Black Women′s Colle…
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週刊エコノミスト
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